■高齢者の就業率が高い県は平均寿命も長い
高齢になっても働きつづけることは、健康や長寿の面でもプラスであることは確かです。たとえば長野県のように、高齢者の就業率が高い県は平均寿命も長く、高齢者1人当たりの医療費も低い傾向があります。
■健康寿命とは
介護が必要になる原因として多いのは、認知症、脳血管疾患(脳卒中)、転倒・骨折、高齢による衰弱です。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。つまり、支援や介護を受けない健康で自立した期間です。
平均寿命と健康寿命の差は、不健康な期間ということで、男性では8~9年、女性では12~13年と横ばいで推移しています。健康寿命延伸のためには、この不健康な期間をどれだけ減らすことができるかが鍵となります。
■頭を使っている人はボケにくい
脳の萎縮が同じくらい進んでいる2人の認知症患者を比較すると、何もしていない片方の人はかなりボケてしまっているのに、日頃から頭を使う環境にいたもう片方の人はそうでもなく、知能テストをするも明らかに後者のほうが点数が高かった、というケースがままあります。
■脳トレはほぼ無意味だった
「脳トレ」は残念ながら、認知症予防という観点からはほとんど無意味だということが、最近行われた海外の研究で明らかになっています。
■脳トレよりも、人との会話?
他人とのおしゃべりでは、自分の話したいことに対して相手から反応が返ってきますし、強制的に頭を働かせなくてはいけない局面が増えます。もちろん、仕事や家事も複数の知的作業をともなうので、「頭を使う」ことにつながります。「生涯現役」というスタンスも、有力な脳のトレーニング法といえるでしょう。
■歳をとってから「慕われる人」を目指すのは無駄ではない
歳をとると、お金があるからといって必ずしも人が寄ってくるわけではありません。歳をとっても人が寄ってくるのは、話がおもしろいとか、人としてどこか見習う点があるなど、周囲からすてきだと思われているような人です。
■さいごに
「生涯現役」というのは、どんなかたちであれ体を動かし、頭を働かせることを続けたほうがいいという意味であって、必ずしもお金をもらって仕事をすることだけを意味するわけではありません。ボランティアや趣味的な活動でもかまわないのです。
「いまの自分に何ができるのか」ということを前向きに考えたほうが、ずっと健康的に生きられます。
人と比較するより、自分の生き方を模索するほうが賢明ですね。
参考サイト
大した収入にはならないけれど…生涯現役で働き続ける人が、仕事のない人より健康で長寿であるワケ
プレジデントオンライン