熱中症は毎年多くの命を奪う恐ろしい病気です。その熱中症の背景には脱水症が潜んでいます。脱水症を予防することが熱中症を予防するうえで大切になります。
厚生労働省の発表によると、熱中症による死亡者のおよそ80%が65歳以上の高齢者となっています。
高齢者によくみられる脱水症について原因と見逃さないようにするためのサイン、注意点、予防方法をご紹介します。
高齢者は脱水になりやすい
高齢の方では、体内の水分を蓄える筋肉量が減るため、水分量は若い人に比べて減少し体重の約50%になるといわれています。
身体の中の水分量が少なくなるため、若い頃より脱水症になりやすい傾向があります。
加齢とともに喉の渇きを感じる「口渇中枢」(こうかつちゅうすう)が減退するため、実際には水分が必要な状態であっても喉の渇きが感じにくくなります。若年者より脱水症状を起こしやすく注意が必要です。
夜中のトイレを避けるため水分補給を十分に行わない、運動能力や認知機能の低下なども脱水を引き起こす原因となります。
かくれ脱水への対策がポイント
高齢者かくれ脱水とは、自覚症状のない脱水症の初期の状態になります。脱水症が進行するまで明確な症状が出にくく、早い段階で有効な対策がとれない場合が多いのです。の熱中症予防は、「かくれ脱水への対策」がポイントになります。
□トイレに行く回数が減っている。
□尿の色が濃くなる(茶色くなる)。
□便秘になる。
□食欲が出ない。
□なんとなく元気がない。
□昼間寝てばかりいる。
□暑いのに汗をかかない。
□皮膚のハリがない。
脱水症は脳梗塞、心筋梗塞になりやすい
身体から水分が失われ、不足することで血液が濃くなります。
濃くなった血液がかたまりとなって血管に詰まってしまうことがあるので、水分補給で脱水を予防することはとても重要なのです。
水分と電解質補給
「脱水症状」とは体内に水分とナトリウム・カリウム・カルシウムなどの電解質が不足している状態のことで、めまいや頭痛、嘔吐、足がつる、重度になると意識障害を起こすこともあります。
経口補水液
経口補水液とは、発汗により失われた水分、電解質をスムーズに補給するための飲料水です。糖分や塩分、カリウム、マグネシウムなどが入っており、体液に近い成分を適切な濃度で含んだ電解質溶液なので、体内に素早く吸収されます。さらに、飲みやすく果汁等が付加されているものの多くがスポーツドリンクと呼ばれています
おかしいなと思ったときは、積極的に水分と塩分、経口補水液で水分補給をしましょう。
画像は味の素KK栄養ケア食品サイトよりお借り。