パーキンソン病が腸から始まる

2019年11月にフィンランドのヘルシンキ大学が、「パーキンソン病の発症の原因は、抗生物質の多用にある可能性」と発表しました。

研究では、抗生物質を多く服用した人たちに、パーキンソン病の発症の明らかな増加が見られました。「腸内環境が破壊されることによって、発症に至っている可能性が高い」ということです。

脳内の神経伝達物質を作成して、コントロールしているのは主に腸内細菌(腸脳相関)であることが次々と判明しています。

ドパミンという脳内物質の産生とコントロールをしている「おそらく1種類の腸内細菌」があり、それが抗生物質で破壊されることによって、ドパミンの産生がおこなわれなくなったと考えられます。

パーキンソン病の予防として大切なのは「腸内環境を破壊しない」ということですが、病院で処方される薬の中で、最も腸内細菌を破壊することがわかっているのは以下の2種類となると思われます。
・抗生物質
・抗ガン剤

パーキンソン病とは

 パーキンソン病の代表的な症状は、「手足が震える」「筋肉がこわばる」「動きがゆっくりになる」「姿勢を保てなくなる」の四つです。

高齢化に伴って増加しているパーキンソン病。脳のドパミンという神経伝達物質が減少することによって、体をうまくコントロールできなくなる病気です。薬物治療で症状を抑えるのが治療の基本ですが、現在のところ根本的に治す方法はありません。

便秘から始まる

パーキンソン病の患者においては、20年以上前から、腸に典型的な病理学的変化があることが観察されています。また、便秘、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患の患者の人たちは、パーキンソン病を発症するリスクが高いことも知られています。

便通が1日1回未満の人は発症確率が4倍

便通が1日1回未満の人は、2回以上の人に比べて4.1倍パーキンソン病になる確率が高く、潰瘍(かいよう)性大腸炎の人はパーキンソン病の発症率が1.41倍になります。手術で虫垂を切除した人は、していない人に比べて2割近くパーキンソン病の発症率が低い、など、腸と病気の発症が関連している報告がたくさん出ています。

まとめ

腸内の常在菌を増やすためには、水溶性の食物繊維をとることが最も効果的で、海藻とか納豆などをたくさん食べると良いそうです。

腸内環境が悪化してから何らかの疾患になるまでには、時間的な猶予はかなりありそうなので、少しずつでも腸内環境を改善することでパーキンソン病を予防していきたいですね。

神経伝達物質の「セロトニン」は腸内環境が悪化すると、腸内では過剰になります。
一方、脳では「セロトニン」が不足している状態になってしまうため、不安になったり
イライラしたりしやすくなるようです。

参考ホームページ

パーキンソン病が腸から始まる、というこれだけの証拠(朝日新聞Reライフnet)

パーキンソン病(生涯現役整体院)

どうして腸は大切なの?腸のことをもっと知りたいあなたへ(興和株式会社)