血糖値スパイクとは、血糖値が乱高下する現象で、食後の高血糖とその後の低血糖の差が、60mg/dl以上ある場合をいいます。

スパイクとは、「大きな釘」の意味で、急激に血糖値が上がりその後、ストンと下がってしまう現象です。

問題なのは、血糖値が下がったときです。急に血糖値が下がりすぎると意識を失ったり、脳の機能をが損なわれて植物状態になったり、最悪の場合には死に至ることもあります。

血糖値スパイクが全身に影響を及ぼす

糖尿病は、すい臓が敏感な人に起こりやすい病気といえます。敏感な人のすい臓は血糖値にすぐに反応してインスリンを分泌します。

出過ぎていたインスリンはやがて枯渇し、疲弊したすい臓はインスリンを分泌できなくなって、糖尿病が起きてしまいます。

その過程で過分泌されたインスリンは血管の内膜を傷つけ、動脈硬化をつくりやすくします。その結果、脳梗塞や心筋梗塞を発症します。

さらに脳は低血糖にさらされるとさまざまな症状が出てきます。アルツハイマー病のような認知症もそうです。

また、骨代謝も悪くなって骨粗鬆症が起こり、骨折しやすくなります。

シミ、しわ、たるみなど皮膚の変化(皮膚の炎症)も起こって全身的に老化が進行します。白内障も起きやすくなります。

不妊症や不育症も起きます。月経前症候群や更年期障害も低血糖が関係しています。

低血糖をほっておくと全ての未病の原因となる

「老化」といわれる現象の多くが血糖値スパイクを原因にしています。現在の医療ではほとんど注目されない低血糖が、身体のさまざまな不調(未病)原因をつくっています。

低血糖は身体の症状より脳(心・行動)の症状が目立つために、多くの患者さんが精神病などに誤診されてしまうことが多い

心の症状は精神疾患のようにも見えてしまいます。そのため、統合失調症、てんかん、うつ病、AD-HD(注意欠陥多動性障害)、パーキンソン病、アルツハイマー病、更年期障害、自律神経失調症などと誤診されてしまうことが多い。

低血圧の陰に低血糖あり!

心臓にいくエネルギーの量が低下したとき、つまり低血糖状態のとき心臓はエネルギーを少しずつ使うような動かし方、心臓をゆっくり動かすしか方法がありません。それが心臓のポンプ機能の低下です。

その結果、低血圧や起立性低血糖になってしまいます。心臓のポンプ機能の低下が原因で低血圧になっている患者さんの血糖値を測定してその93%に低血糖がありました。低血圧の原因には低血糖があったのです。

低血糖はなぜ起こるのか?

血糖値スパイクを起こしやすい人のすい臓は健康な人のすい臓にくらべて過敏です。そのためすい臓が過剰に反応し、インスリン(血糖値を下げるホルモン)を大量に出してしまいます。

そうすると今度は血糖値がストンと下がってしまうのです。そのため食後に眠気が出たり、異常な疲労感が出ます。朝食抜き、ドカ食い、速めし食い、ながら食いといった食行動の異常がすい臓を刺激し、すい臓を敏感にしてしまいます。

その結果、ちょっと血糖値が上昇すると、それがすい臓を大きく刺激し、インスリン(血糖値を下げるホルモン)がドバッと出てしまいます。そして今度は血糖値がストンと下がってしまいます。これが血糖値スパイクです。

食事療法の極意は「大阪のおばちゃん」

すい臓を守る食べ方は「1日6回食」が良いと言われています。どか食いをせずに、少量ずつ、頻回に食べることです。その見本が「大阪のおばちゃん」です。

「大阪のおばちゃん」はいつもアメを持っています。周囲にも配り、自分もなめます。絶えずちょこちょこ食べどか食いはしません。「大阪のおばちゃん」を見習いましょう。

すい臓の機能に不安がある方は専門医の受診を

すい臓の機能は血液検査でわかりますが、人間ドックなどの検査では部分的にしか測っていません。不安のある方は「日本すい臓学会」「日本糖尿病学会」のホームページに全国のすい臓指導医、専門医の一覧が載っていますので参考にしてください。

まつおか整体では未病予防に力を入れています。「病院に行くほどでもないけど調子が悪い」ことがありましたらご相談ください。

参考文献 「血糖値スパイク」が万病をつくる 永田勝太郎著