糖尿病とインスリン

糖尿病は糖を調整するホルモンである、インスリンが過剰になったり、逆に効きが悪くなる病気です。

インスリンを分泌させるのは、主に高血糖です。

糖質を大量に摂取すると血糖値が上昇し、血糖値を下げるためにインスリンが大量に分泌されます。

それが繰り返されると、インスリン抵抗性(効きが悪くなる)が起きてしまう可能性が高くなります。

アルツハイマーと糖尿病の関係

糖尿病になるとインスリンの効きが悪くなるため体がどんどんインスリンを分泌します。

アルツハイマー病では、脳にβ(ベータ)アミロイドという物質が沈着することが知られています。

脳に溜まる有毒なβアミロイドを分解する酵素は、インスリンを分解する酵素でもあります。

インスリンが多すぎると、その分解に精一杯となり、βアミロイドまで手が回らなくなります。

そうすると、βアミロイドはどんどん蓄積していまいます。

食生活などの影響で高めの血糖値が続くと、病院で糖尿病と診断されるかなり前から体内のインスリン濃度が高くなり、ここに述べたようなプロセスが始まっていたことがわかってきました。

インスリンと脳の関係

脳においてインスリンは非常に重要な役割があり、神経細胞の構造や機能、生存に大きく関わっている可能性が非常に高いと思われます。

脳は本来インスリンを使わなくてもエネルギーである糖を取り込めるのですが、ある部位(視床下部、海馬、大脳皮質、嗅球、扁桃体、網膜、小脳など)ではインスリンが必須になります。

インスリン抵抗性が起きてしまうと、食欲調整に大切な働きをする視床下部、

短期記憶や学習、摂食行動や新しい脳細胞を作るのに大切な海馬の働き

が低下して、アルツハイマー病の患者さんの症状と似た症状が現れるのです。

インスリンの抵抗性は神経細胞にダメージを与える

・インスリン抵抗性は、ミトコンドリア機能不全を起こし、活性酸素が発生しやすくなる。

・インスリンには神経保護作用があると考えられているが、インスリン抵抗性ではインスリンへの反応性が低下し、神経保護作用が低下する。

・高血糖自体も炎症を引き起こし悪影響を与える。インスリンがきちんと働けば、抗炎症効果が期待できるが、インスリン抵抗性ではその効果も低下する。

・インスリンは微小循環血流を増加させ、組織の血液の流れが途絶える虚血を防ぐという作用があり、インスリンの分泌低下や作用低下は、神経細胞に大きなダメージを与える可能性が高い。

さいごに

糖尿病の患者に認知症の患者が多いのは、以上のことが脳で起きているからです。

これがアルツハイマー病が第3の糖尿病と言われる理由です

日本の認知症の割合はOECD(経済協力開発機構)加盟国35か国中第1位になっていて、日本の人口に対する認知症有病率は2・33%で、OECD平均の1・48%を大きく上回っています。

日頃からパンと牛乳の除去をはじめ、血糖値が急上昇しないような食事を心がけることで、糖尿病の発症・悪化とともに、アルツハイマー病の発病も防げる可能性があります。

参考ホームページ

第3の糖尿病とも言われるアルツハイマー病 /本がすき

参考書籍

パンと牛乳は今すぐやめなさい 葉子クリニック院長 内山葉子著